勇敢活発ナル日本魂

 

 きのう、軍学者・兵頭二十八さんが殺陣師になり、武蔵の『五輪書』に挑んだ。

 武道通信HP掲示版に掲載してあるので、そちらをご覧いただき説明は省く。

 先見、先覚なる日本の防衛論を語ってきた軍学者は、いまどきの日本人の“ヘタレの矯正”には武術、格闘技が一番であると察している。

 『あたらしい武士道』は、いまここで武士道の再考の必要性と日本人の“ヘタレ矯正”の手段を論じる予定であったが、武士道の再考が紀元前からの考察からはじまり、膨大となり、ヘタレ矯正のハウツウは省かれた。

 『武道通信』最新巻の24巻で「目潰し考」を寄稿しているが、これは『あたらしい武士道』に掲載する予定であったが取りやめたものだ。

 

 いま、わが国が憲法第9条改正に向け、民族の触覚が独立自尊に目覚め始めたとき、その触覚の一筋が武術に触れるには、この民族の性であろう。武術(武道)に関わる者はこれを察しなければならない。

 

 日清戦争、日露戦争へ立ち向かおうとする近代日本は武士階級を廃したが、明治のサムライたちは風雲急を告げる中、サムライの遺産、武術復興を企てる。それが前回で述べた『兵法要務 武道圖解秘訣』であった。

 この『武道圖解秘訣』の初版は明治23年である。入手したのは14版の明治38年刊行のものだった。この著でも再三、触れらえていた明治20年に刊行されていた『兵法要務柔術剣棒図解秘訣』が入手できた。12版の明治26年刊である。

 同じく題字は勝 海舟。山岡鉄舟が序文を書いて、榊原健吉が校閲・後秡とある。

 最期の頁に『武道圖解秘訣』の広告が載っていて、その宣伝コピーにこうあった。

 勇敢活発ナル日本魂ハ 本書ニ依テ鼓舞セラル

 

 平成の武術家も「勇敢活発ナル日本魂」を鼓舞するときが来た。

『武道圖解秘訣』に続いて「オンライン本」に新たにセットアップされました。<総目録(目次)>はこちらで。

 

    平成十七年 弥生之八日