いろはにほへと とは

明治時代以降,辞書などの配列は五十音順が主流になってきたが,それ以前は圧倒的にイロ

ハ順の配列であった。たとえば,『色葉字類抄(いろはじるいしょう)』という平安時代の国語

辞書(橘忠兼撰。1180年頃)などいわば専門書のほかに,江戸時代には「いろはカルタ」や「江

戸の町火消しいろは四十八組」などを通して一般庶民にまで知られている。なによりも江戸時

代の識字教育,つまり手習いの初歩として文字の「いろは」から始めることが通例であった。

「いろは歌」は,平安時代末期に流行した,七五を四回繰り返す「今様(いまよう)」という歌

謡形式を守り,さらに仮名一字を一回ずつ使うという制約のもとで作られている。仮名47文

字を一回ずつ使うという制約の下で,意味のある内容を歌い込むのは,至難のわざである。

 

いろはにほへと→ 色は匂へど→ 万物は常に生成・変化・消滅しており,

 

ちりぬるを→ 散りぬるを→ 時もとどまってはいない

 

わかよたれそ→ 我が世誰ぞ→ 生あるものは

 

つねならむ→ 常ならむ→ 必ず滅びる

 

うゐのおくやま→ 有為の奥山→ 生まれ死ぬという無常の

 

けふこえて→ 今日超えて→ 現世を超越して悟りの境地に至り

 

あさきゆめみし→ 浅き夢見じ→ 煩悩に満ちた現世を脱し、生死の苦しみか 

                ら解き放たれたとき、

 

ゑひもせす→ 酔いもせず→ 真の楽しみの境地が開かれる

 

*いろはにほへと の解説に付きましてはいろいろなHPを参考にさせていただきましたが、

主にhttp://home.hiroshima-u.ac.jp/hirano/nyumon/iroha.htmから引用させていただきました